1月と声の記憶

1月と声の記憶

 

いつも見てくださるあなたへ

まゆみです。

 

1月は私にとって特別な月。

誰しもがそうであるように、誕生月でもある。

 

更に、1月は友達の命日でもある。

 

20歳で自殺した大事な友達。

人生初の弔辞を読んだ相手。

 

彼女がこの世から消えた朝7時40分

 

会社に向かうバスの中で

朝日のまぶしさを窓越しに受けながら

座っていると勝手に涙がでてきてた

 

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出勤したくない朝も

親とケンカした夜も

もう体験できない友達のことを思うと

勝手に涙が出てきてた

 

その子の分まで、と考えていた時期も過ぎ、

命日が近づくまで思い出さないくらい

その子が日常に浮上しなくなった時

 

「昔、営業で自殺した子がいるとやろ?」

と雑談中にいきなり言われた時、

 

ぎゅっと胸をつかまれたみたいで

呼吸ができなくなり、

何も知らない人がこうやって関係者を傷つけるんだと思い知らされた。

友達を軽く扱われた気がして、

相手を突き飛ばしたい衝動にかられた。

 

そのあとで、彼女の事忘れてたわけじゃなかったって少しほっとした自分がいた。

 

あれから25年も月日が流れても

この日だけは

この日の朝だけは

時が止まる。

 

亡くなった彼女は私に「ただ生きる事の価値」を無言で教えてくれたんだけど・・・

教えてもらった事の中で一番ショックだったのは、声の記憶は早く消えるっていう
事。

 

ある日から、彼女の声が聞こえなくなった。

 

思い出そうとしても何にも聞こえてこない。

記憶の消える瞬間と、取り戻せないもどかしさを味わった。

 

そこから、かな。

大事な人の肉声を録音する癖ができた。

 

声を聴くと、その人がそばに感じられる。

声を聴くと、ほっとする。

その時の、温かい気持ちが体の中に流れ込んでくる。

そして、離れていても、耳を通して私の頭に住みついてくれる。

 

留守番電話に残るメッセージを壊れるまで聞き続け、

最後には音声保存サービスの期限が切れてしまって、聞けなくなって・・・

途方に暮れ、発狂するという映画のワンシーンにとてつもなく共感したり。

 

ああ、だから私は人の声に敏感なのかもしれない。